歌姫はギタリストに恋をする゚*。
二人はタバコを口にくわえながら、こっちを同時に振り向いた。




慶だ。

なんかこうやって仕事場で会うのは、どれくらいぶりだろう…


こうして見ると、慶はオーラがすごいなぁ…

スター感が出まくりだし。


共演者としての緊張と、異性を意識するドキドキが入り交じっている。





「お前ら一緒だったんだ」


喫煙所から出てくる慶と健二。


慶は白いTシャツに黒のジャケットとジーパン。

頭には、黒いニット帽をかぶっていた。


うえから下までカッコいい。

て、自分の彼氏にこんなこと思うなんて…私ってオカシイかな(汗)




「ねぇ、五十嵐くん!今sAra.とも話してたんだけど、今日の生放送でソロギターやるの?」



紅が目をキラキラさせながら、慶に問いかけた。

慶はキョトンとした顔をしたあと、ニヤリと笑い…




「内緒」


と、言った。




そして鼻歌を歌いながら、自分の楽屋に行ってしまう慶。



その場に残され、立ち尽くす私は心からこう思った。








“カッコいい”













「もうすぐ7時だね。あと5分だ…」
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