歌姫はギタリストに恋をする゚*。
安心そうに笑う、沙知絵さんと浩司さん。

私は「わかりました」と、2人に笑顔を返す。




「慶…じゃあ明日また来るから・・」


沙知絵さんは、ベットに寝ている慶のそばに近づき、声をかける。



「は?いいよ。店休むわけにはいかねえだろ…」


眠そうな顔をしながら言う慶。





「そんなわけにいかないわよ…とにかく明日また来るから・・今日は安静にしてなさい。明日は検査なんだから」

「…へいへい」

「もう」


狸寝入りをしてしまう慶に、沙知絵さんは呆れ顔。

そんな2人を見て、私と浩司さんは笑ってしまう…




「じゃあ‥sAra.さん。今日はよろしくお願いします…」

「あ。下まで送りますよ!」

「いいのよっ、ここで」

「じゃあ、せめてエレベーターまで送らせてください。慶‥ちょっと行ってくるよ?」


私がそう言うと…慶はこっちを見ずに「ん…」と返事をした。

私たち3人は病室から出て、廊下をゆっくりと歩く…





「sAra.さんには本当に迷惑かけるわね…」



廊下を歩きながら、沙知絵さんがぽつりと言った…




「そんなっ…気にしないでください……」

「…まだ夢みたいなの・・本当にあの子……目を覚ましたのよね…?って。」


さっき私が思ったことと、同じことを言う沙知絵さん。
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