歌姫はギタリストに恋をする゚*。
そう、何度も自分に言い聞かせていた。



30分後。

休憩から帰ってきたバンドメンバーたち。

練習に再開した私は、それから一度も慶の顔を見なかった。







「このステージ照明なんですけど…」

「うん。このままでいいよ」

「衣装は?」

「うーん…もうちょっと考えさして」


バンドメンバーとの練習後。

私は雑誌のインタビューの仕事へと向かう途中、スタジオ内を歩きながらまたスタッフとライブの打ち合わせ。





「きゃはは」

「バカだなぁ」




すると、スタジオの入り口の喫煙所から聞き覚えのある笑い声が。



きっと健二の笑い声だ。

だとしたら慶もいるんだ…



私は通りすがるタイミングで、ちらっと喫煙所を覗く。



!!
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