歌姫はギタリストに恋をする゚*。
「なんか寝れない」

「そっか…」


私は慶のベットにパイプ椅子を置いて、腰をおろす。

病室は、ベットに付いているスタンドだけ明かりがついていて、なんだかちょっと薄暗い…




「寒かったり…暑かったりしない?」

「うん」

「なんか欲しいものない?」

「お前」

「……え゙!!!?」


思わず大声を出してしまい、口を手でふさぐ…

慶はそんな私を見て、意地悪そうに笑った。



変わらない慶の笑顔…

話し方に言葉…


整った容姿…

切れ長の目…



相変わらず慶はかっこよくて…

慶といると楽しいし、ドキドキする…




でも、明らかに痩せている顔と、腕や足…

重たそうな目…

元気そうに見えても力ない声…

だるそうな雰囲気…


そんな慶を見るのは初めてだった・・・



…………あ、でも…




「…さっき・・」

「あ?」

「さっき…一度起き上がってたよね?」

「………」


思い出したように言う私。


さっき…私がここで寝てしまい、慶に起こされた時‥慶は確かに体を起こしていた。
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