歌姫はギタリストに恋をする゚*。
ライターの音と、タバコの香り。

振り向くと、慶がタバコを吸っている。そして、私に近づいてきた。


とっさに慶を避ける体制をとってしまう私。

しかしそんな行為は、慶に一瞬で解除された。



「…びっくりした♪?」

「な、なに笑ってんの!?」


私に抱きつきながら、ニヤニヤする慶。






「さっき見てたんだろ?」

「え?」

「俺と与那嶺さんが、一緒にいたとこ」

「……………」



与那嶺さんは、美咲さまの苗字。




「あれ演出」

「演出!!?」

「そ。お前を勘違いさせる演技だよ」

「!!!」



演出?

演技?





「じゃ、じゃあ嘘ってこと?」

「当たり前だろ」

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