歌姫はギタリストに恋をする゚*。
沙知絵さん、料理すっごくうまいから。


「たくさん作ってきたら、いっぱい食べてね!」

「はい、ありがとうございます」


私たちは、沙知絵さんが作ってきてくれたお弁当を食べ始めた。





「そうそう…あなた。いい物件はあった?」




思い出したように、浩司さんに問いかける沙知絵さん。




「うん。何件か見に行って、3件いい物件があってね。あとで間取りとか見せるから…あとはお前が決めろよ」

「そう…わかったわ」


「あの・・物件って…?」


2人をうかがうように、会話に入る私。




「ああ。私たち…今家を探してるのよ」

「こっちに(東京)に住もうと思ってね」

「え!?そうなんですか!?」

初耳。



「慶が入院してから…ずっと考えてたことなの。今住んでるところは田舎だし…東京に行くまで大変でしょ?慶のお見舞いすら気軽には行けないから…」

「慶が目覚めてくれたなら尚更ね。慶のそばにいたいからさ…」


そっか。

そうだよね…



「あ、でも…お店はどうするんですか?」


沙知絵さんたちは、酒屋をやってるんだよね。





「俺の親戚が、あの店を譲りたいって言っててね。この機会に、譲ろうかと思ってるんだ」
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