歌姫はギタリストに恋をする゚*。
本当は慶のそばにいたい…

だけど私には仕事がある…


私は名残惜しい気持ちを抑え、ぎゅっと慶の手を握ったあと…

沙知絵さんと浩司さんに、もう一度挨拶をして病室を出た。





心がすっきりしない…

慶のことが心配…

こんなんで仕事したって、仕事に身が入らないことは、目に見えてわかっていた…

でも仕事しなきゃ…




「sAra.さん。今日は一旦ホテルに帰ったあと、早朝から……‥」


病室を出て、エレベーターまで歩く際…私を待っていた数名のスタッフが、もう仕事の話を始めた。


なんだか夢から現実に帰された気分…

でも文句は言えない…



ちらっと…

慶の病室のドアを見つめる私…




慶・・・



ガコン。

すると、エレベーターの扉が開いた。


私はスタッフに連れられて、エレベーターに乗り込んだ。



慶が頭から離れない…

まだ‥慶と離れていても、耐えていける自信がない…


でも頑張るよ。

何度だって頑張る…












『速報です!ずっと寝たきりで入院中だった人気ギタリストの慶さんが、目を覚ましたというニュースが入りましたっっ』
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