歌姫はギタリストに恋をする゚*。
翌朝

夜明け前に起床して、日の出と共に車に乗り込み仕事へ向かった私。

その途中、朝方のニュースの冒頭は…慶の話題で持ちきりになっていた。


移動中の車の中で、私はテレビをじっと見つめる…




『えー慶さんの事務所によりますと…慶さんは植物状態から回復したと……』

『良かったですねぇ。奇跡ですよ!』

『まだ詳しいことはわかっていませんが、とりあえず植物状態からは回復してですね…今はまだ入院中ということです』

『もちろんsAra.さんはこのことをご存知なんですよね?』

『…おそらくそうではないかと(?)まだその情報はつかめていませんが…』

『もちろん彼女からもコメントを出しますよ。以前、慶さんが事故に遭った事実も、コメントされてたじゃないですか…』

『そうですね』

『だったらコメントを出すのが当然でしょう。ここで黙秘するのは、どうかと思いますね』



なんなの、このコメンテーター。

いちいちムカつくな…




テレビから目をそらし、窓の外を見ながらひじをつく。

車の窓のガラスは、全てスモークのため、外が明るいのか暗いのかがわからない…



今日…晴れるかな…

晴れたらいいな。


そしたら慶の病室の窓から、日差しが差し込むよ、きっと…

あの部屋、日当たりいいから…





『今のsAra.さんの居場所はわかってるんですか?』

『えー‥今日は、雑誌の撮影が都内であるらしいんですけどね。あと新曲も近々リリースするので、その宣伝など…』

『相変わらず忙しいですね』

『日本が誇るスターですからね』



スターか。

また言われた…
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