歌姫はギタリストに恋をする゚*。
「あの日…リハ(リハーサル)の最中・・彩良の上から、機材が落っこってきて………」




慶が思い出したように話し始める。





「…そっから覚えてねーんだよな。」


「………」

「………」


慶の言葉に、胸が締め付けられる私たち。




そうだよね。

慶はあの日からずっと眠ってたんだもん…


覚えてなんて当然だし…

今のこの状況が、わからなくたって不思議じゃないよね。







「……ってゆーか、アンタっ!」




「へ…?」


すると、「あ!」と思い出したように口を開く紅。




「アンタさ…仕事から逃げ出したって本当!?」

「!!!」


「は?」


紅の言葉に、慶は眉をしかめる。





「さっき…病院から連絡もらう前・・増田さんから連絡あったぞ?」


増田(ますだ)さんとは、私のマネージャー。

通称“マッスー”





「そうだよっ。“sAra.ちゃんが仕事から逃げ出して行方不明なんだけど、居場所知らないか?”って…私たち心配してたんだよ?一体何があったの??」

………(汗)
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