MFNゲノム
「おとといから、だよね?」
チエはカニクリームコロッケをほおばりながら聞いてきた。
「ああ。」
俺はそっけなく答えた。
なぜか付き合い始めの、あのフワフワした感じが全くなかった。
「正直、うれしかった。結構前から待ってたから。」
そう言うとチエは、嬉しそうに笑った。
告白したのは確かに俺からだった。
でも3日目の今日、何か違和感があった。
別にチエを嫌いではない。俺も、付き合いたい、そう思った。
「ふつつかな娘ではございますが、これからもどうぞよろしく!」
完全に目が覚めたチエの声は、また俺の頭痛を刺激する声になっていた。
チエの精一杯のミニコントに、答えようとする俺の頭がキリキリと痛み出した。