MFNゲノム
「おう!シュウヘイ!元気でやってるか?」
メッセージは続いていた。
「いや、特に用はなかったんだが、どうしてるかな、と思ってな。」
留守電にありがちな、第一声と二声の間に妙な間があったが、親父は続けた。
「お母さんも心配してるから、たまには連絡よこせよ!」
「ツー、ツー、ツー。」
親父とは、仲は良いほうだと思う。
昔から研究の仕事が忙しい親父ではあったが、家ではよくいうマイホームパパで、
休みにはどこか旅行に連れていってくれたりもした。
俺はショルダーバックをおろし、座椅子に腰掛けて親父に電話をした。