MFNゲノム
「チエと付き合うことになった。」
俺は次の日、1コマから一緒だったアキヒロにそう告げた。
アキヒロは一瞬、間の抜けた顔を見せたものの、当然といった感じで軽い笑顔を作り、
「ようやくかよ!」
と高らかに言った。
「まあ、いつかは付き合うと思ってたけど、お前、なんだかハッキリしないからなー!」
アキヒロはスティック状の朝食をほおばり、ボリボリ言わせながらそうしゃべった。
アキヒロの入れる少しの毒は、なぜかいつもイライラしない。
「でもよかったじゃん!後でマリコにも言っとくわ。」
そう言って、アキヒロは俺の方を軽く叩いた。
アキヒロならそうするよな。
俺はそのやりとりをまるで当然のように感じながら、眠気で全く入ってこない朝の授業を受け始めた。