MFNゲノム


「どうも。」


教室に着いた俺に、チエは少し他人行儀にそう言った。
目の下には、うっすらクマが出来ていた。

そう言えば、チエは昨日のうちにマリコに話さなかったのかな。
何度も相談していたと、マリコは言っていたのに。

俺はそんなことを考えながらも、先ほどの連絡事項を伝えた。

「今日、アキヒロとマリコがオゴってくれるってさ!」

「え?本当に!うれしい、けどなんか恥ずかしいな…」


あの始めにアクセントがつく、チエ節が一瞬出たが、すぐおしとやかな感じに戻った。

俺は聞かなくてもよかったが、この雰囲気ではそれしか出てこなかったのでチエに聞いてみた。

「そういえば、マリコには言わなかったの?アイツさっき初めて知ったみたいだったけど。」
< 25 / 35 >

この作品をシェア

pagetop