MFNゲノム


「え?…あ、なんか伝えそびれちゃった。」


少し戸惑った表情で、チエは答えた。


普通、女の子って彼氏なんかできたら、真っ先に友達に伝えたりするんじゃないだろうか。
チエが一番仲がいいのは、まちがいなくマリコのはず。


「それに、昨日は早く寝ちゃったから…」

チエはクマの残る目でそう言った。


「そうか。とりあえずこれ終わったら、控え室で2人待ってるから。」

俺はチエに伝えて、隣に座った。
それ以上、追求するのはチエの様子からしてやめておいた。


授業中、チエは何度も頭を縦に揺らしていた。
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