MFNゲノム
「じゃあ、そろそろイコっか。」
マリコは俺たちにそう言って、アキヒロに軽く目配せをした。
俺は状況を把握し、まだ座っていたチエの肩を叩いて、2人の後に控え室を出た。
「さっきは皆いて恥ずかしいだろうと思ったから遠慮してたけど、これからは覚悟しておきなよ!」
アキヒロはまだ少し動揺しているチエに向かってそう言った。
「…う、うん。」
少しキョドり気味に答えたチエにマリコがフォローを入れる。
「やめなって!アキヒロ!私もシュウヘイに祝ってもらった時は、なんかチョー恥ずかしかったんだから!ねえ、チエ!」
「うん。あ、ありがとう。」
チエは、まだ本来のチエの40%くらいの調子でそう答えた。
俺は心配することのない財布をしきりに触りながら歩いていると、ファミレスに到着した。