MFNゲノム


「ああ、大学には行くよ。病気で聞いてないよー・・・じゃすまないからな。」

俺は自分にしかわからない皮肉を織り交ぜてみた。

「私の貸す?そのまま写すとバレるけど」

案の上、チエは華麗にスルーして、いい提案を持ちかけてきた。


「ああ、頼むわ!お前と反対のこと書けば、「優」もらえるし。」

「ちょっとー!また失礼なこと言うー。
じゃあ、とりあえず大学図書館いるから、なるたけすぐ来てね!」

「ああ、センキューな。コーヒー飲んでから行くわ。」


ツッコミも返さずチエは電話を切ってしまった。

まあ俺が朝コーヒー飲むのが日課なのを知ってか、チエの狭いボキャブラリーじゃ返しが思いつかなかったのかはわからない。
おそらく後者だろう。


マンガンイオンの水を、コーヒーメーカーに入れ、俺は朝の一服をした。


正直、頭痛は治まっていない。
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