経験なくっちゃダメですか!?
っていうんで、放課後、来たのは映画研究会。

映画を自主制作してるオタクの巣窟。


「坂下君、いる?」

部室、暗くて中がよく見えない。


映研部長の坂下君とはコミケつながり。

地元のコミケに、私は小説出してるし、坂下君は映画の脚本出してる。


偶然会場で会ってから、話をするようになった。


私が小説書いてるのを知ってる、唯一の友達。


「お、姫じゃん。どうしたの」

鶴野 姫っていうのが私のペンネーム。

すっごい昔に、そういうギャグマンガがあって、そこからとったんだけど、誰も知らないよね。


「学校紹介のショートムービー撮ることになってさ、手伝って欲しいっていうか、やって欲しいんだけど、頼めない?」

「あ、そういうの作るって噂で聞いた。

で、俺らに作らせろって言ったのに、教頭に断られらんだぜ」

「いつもグロい映画ばっか作ってるからでしょ」

「俺のホラーへの愛をバカにすんのか」



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