経験なくっちゃダメですか!?
坂下君が笑う。

「普通の撮って欲しいのよ。

先生が好きそうな、爽やか系の。

スポーツに励む少年、とか、勉強に勤しむ少女、みたいな」

「高校生なんて、中身、ぐちゃぐちゃのドロドロだろが。

頭の中なんてスケベなことでいっぱいだし」

「そこのとこは描かなくていいの」

「はいはい。姫の頼みならやるけどさ。
そのかわり条件」


・・・こいつも、お願い聞いてくれる?ってきたか。
お願いの連鎖だね。


「何?」

「今作ってる映画にちょっと出てくんない?

少しだけ過激なラブシーンいれたいんだけど、部員の女の子、みんなその役、やだって言ってさ。」

「私だってヤダよ」








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