好きになっても、いいですか?
03
*
(ああ、頭と……心臓あたりが痛い気がする)
麻子が意識を取り戻し、頭の中で考え事をし始めるが、目はまだ開かず、体も動かない。
目を閉じている分、頭の中の意識と映像は鮮明で――――。
(お母さん、お母さん……。
行かないで。ごめんなさい、ごめんなさい――)
スーッと目から、冷たいものが伝う感覚。
それは耳の方へと流れて行くかと思った、その時だった。
その冷たいものの流れを堰き止めて、濡れた感触を拭ってくれたもの。
そこでやっと麻子はゆっくりと目を開けた。
知らない天井、匂い、誰かがいる気配――。
「大丈夫か」
(ああ、頭と……心臓あたりが痛い気がする)
麻子が意識を取り戻し、頭の中で考え事をし始めるが、目はまだ開かず、体も動かない。
目を閉じている分、頭の中の意識と映像は鮮明で――――。
(お母さん、お母さん……。
行かないで。ごめんなさい、ごめんなさい――)
スーッと目から、冷たいものが伝う感覚。
それは耳の方へと流れて行くかと思った、その時だった。
その冷たいものの流れを堰き止めて、濡れた感触を拭ってくれたもの。
そこでやっと麻子はゆっくりと目を開けた。
知らない天井、匂い、誰かがいる気配――。
「大丈夫か」