好きになっても、いいですか?
04
*
「昨日は無事に、自宅へ入れましたか?」
「あ、ああ。騒がせて悪かった」
純一と敦志が並んで歩いていた。
いつもの社長室の前に立つと、敦志が先回りをしてIDカードをかざす。
中に入ると、すでに出社していた麻子が、ローテーブルを拭いていた。
「おはようございます」
「おはようございます。芹沢さん。昨日はありがとうございました」
敦志が御礼を言うのはおかしな話だが、そのまま受け流して麻子はテーブルを拭き終えると、控えめに部屋の隅に立った。
「今日の予定は……」
「まとめたものを打ちだしておきました。後は早乙女さんの微調整をお願いします」
敦志の言葉につなげるように麻子は言うと、一枚の紙を敦志に手渡した。
その間、麻子は一度も純一とは目を合わせていなかった。
「昨日は無事に、自宅へ入れましたか?」
「あ、ああ。騒がせて悪かった」
純一と敦志が並んで歩いていた。
いつもの社長室の前に立つと、敦志が先回りをしてIDカードをかざす。
中に入ると、すでに出社していた麻子が、ローテーブルを拭いていた。
「おはようございます」
「おはようございます。芹沢さん。昨日はありがとうございました」
敦志が御礼を言うのはおかしな話だが、そのまま受け流して麻子はテーブルを拭き終えると、控えめに部屋の隅に立った。
「今日の予定は……」
「まとめたものを打ちだしておきました。後は早乙女さんの微調整をお願いします」
敦志の言葉につなげるように麻子は言うと、一枚の紙を敦志に手渡した。
その間、麻子は一度も純一とは目を合わせていなかった。