好きになっても、いいですか?
trap:罠
01
*
「失礼します」
そう言って社長室に入って来たのは、常務の中川。
純一よりも年は5つ上の、30半ばだが未だ独身。割りとルックスも悪くなく、至って普通の男だが……。
「こちら、昨日の会議でお伝えしてました報告書を纏めたものです」
「ああ。いつもながら仕事が早い」
「いえ。では……」
中川は、純一に一礼し、くるりと向きを変え敦志と麻子の前を歩いていく。
麻子は反射で先回りして扉を開いた。
すると、中川は紳士的な笑顔を麻子に向け、そのまま退室した。
その時、中川から何かが落ちる。
麻子はその落ちた物に視線を落とし、それがボールペンだと認識すると、すぐさま拾い上げ中川の後を追った。
「中川常務!」
「失礼します」
そう言って社長室に入って来たのは、常務の中川。
純一よりも年は5つ上の、30半ばだが未だ独身。割りとルックスも悪くなく、至って普通の男だが……。
「こちら、昨日の会議でお伝えしてました報告書を纏めたものです」
「ああ。いつもながら仕事が早い」
「いえ。では……」
中川は、純一に一礼し、くるりと向きを変え敦志と麻子の前を歩いていく。
麻子は反射で先回りして扉を開いた。
すると、中川は紳士的な笑顔を麻子に向け、そのまま退室した。
その時、中川から何かが落ちる。
麻子はその落ちた物に視線を落とし、それがボールペンだと認識すると、すぐさま拾い上げ中川の後を追った。
「中川常務!」