好きになっても、いいですか?

02



「バーベキュー……ですか」


開口一番、気の抜けた返事をしているのは麻子だった。


「まぁ、毎年やっているんですよね。親睦会というか……」
「社長も参加されるんですか?」
「……俺は毎年風邪だ」


麻子が、バーベキューを部下としている純一の図が少しも想像できなくて聞いてみると、案の定な答えが返ってきた。


「早乙女さんは……?」
「私は出席したり、しなかったり……今年は、去年出ませんでしたので出ざるを得ないかとは思っていますが。社長が出られないので、極力私は参加しなければ、と」
「そうですか……。あの、私はちょっと……」


言いづらそうに麻子がやんわり断ると、敦志がそれを汲み取って言った。


「そうですか。ではそのようにしておきますよ。気が変わりましたらいつでもどうぞ」


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