好きになっても、いいですか?


「今年の場所は、川か海がいいんじゃないかしら?」
「宇野さん、いつもは山って……」
「……相川さん。私、ちょっと面白い情報を手に入れたの」


第二秘書室での会話――。

幹事役を務める彼女たちは、開催日・場所を決め、諸準備をする。

もっとも、準備は彼女たちに好感を持つ、男性社員が動くのだが。


「――え?それは、どうやって……」
「少し、彼女の学生時代の同級生から話を聞いて貰っただけよ」
「宇野さんて、すごいです……」
「相川さんには負けるわ。あんなことを仕掛けるなんて驚いた」


知的な顔立ちの麗華が、冷たい笑顔を向ける。
美月はただそれに合わせるように、笑みを浮かべるだけだ。
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