好きになっても、いいですか?
intrigue:陰謀
01
*
「――――驚きましたね」
「…………」
社長室の扉が閉まるかどうかの時に、敦志が純一に向かって言った。
純一は室内に入るなり上着を脱ぎ、ドサッとデスクの大きな背もたれの柔らかそうな椅子に座る。そして頬杖をつき、何かを考えているようだった。
「でも、とりあえず本当に良かった」
「……庶務課の芹沢、か」
「芹沢麻子さん、どうやら今年入社した社員のようですね」
デスクに置いた、中身のない招待状の封書を指で軽く弾くと、椅子をゆっくり回転させて敦志に背を向ける。
すぐ後ろの大きな窓から空を見つめ、少し間をおいて純一は言った。
「芹沢麻子を――――……」
「――――驚きましたね」
「…………」
社長室の扉が閉まるかどうかの時に、敦志が純一に向かって言った。
純一は室内に入るなり上着を脱ぎ、ドサッとデスクの大きな背もたれの柔らかそうな椅子に座る。そして頬杖をつき、何かを考えているようだった。
「でも、とりあえず本当に良かった」
「……庶務課の芹沢、か」
「芹沢麻子さん、どうやら今年入社した社員のようですね」
デスクに置いた、中身のない招待状の封書を指で軽く弾くと、椅子をゆっくり回転させて敦志に背を向ける。
すぐ後ろの大きな窓から空を見つめ、少し間をおいて純一は言った。
「芹沢麻子を――――……」