好きになっても、いいですか?
*
純一は、他の社員に見つからないようにすぐに来た道を引き返していた。
駐車場への道のりはさほど遠くはなく、自分の車に乗り込むとハンドルに両腕をつけて寄りかかる。
(――――また。
また、繰り返す気か……俺は。
一度目は“母”に。
二度目は“彼女”に。
三度目の今回まで、もし同じようになったのなら――――……)
純一は、体をシートにボスっと預けてハンドルに拳を振り下ろした。
(“女”は金の為なら何でもできるものだ。人を裏切ることも厭わない。
でも、アイツは――?)
純一は、他の社員に見つからないようにすぐに来た道を引き返していた。
駐車場への道のりはさほど遠くはなく、自分の車に乗り込むとハンドルに両腕をつけて寄りかかる。
(――――また。
また、繰り返す気か……俺は。
一度目は“母”に。
二度目は“彼女”に。
三度目の今回まで、もし同じようになったのなら――――……)
純一は、体をシートにボスっと預けてハンドルに拳を振り下ろした。
(“女”は金の為なら何でもできるものだ。人を裏切ることも厭わない。
でも、アイツは――?)