好きになっても、いいですか?
encounter:出逢い

01



「本当にいいんですか」
「くどい」
「……まあ、元よりひとつ、席が多かったですが」
「そんなことより、その手にあるものをくれ」
「はい。申し訳ありません。今、確認を……」
「いや、俺が確認する」


とあるビルの15階――――。

眺めのいい景色が足元まで広がっている大きな硝子の傍に、黒いがっしりとしたデスク。
その上は、整ってはいるが半端ない書類の量。

そのデスクに横を向くようにして足を組み、頬杖をついている一人の男。そして、傍に立っているメガネを掛けた男。


「社長、時間が」
「ああ、わかった」


そして席を立ち、2人の男は部屋を出た。
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