好きになっても、いいですか?
past:過去
01
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『あの女が、消えた』
純一が人形のような表情で、敦志に一言そう言った。
敦志が16、純一は14の時だった。
二人は従兄弟。
母達が姉妹で、近所にいたからよく一緒に過ごしていた。
『敦志!』
敦志は、2つ下の純一に呼び捨てにされるのは普通のことで、特に何も思ったりはしなかった。
『ああ、純一くんきてたの』
2つ上のはずの敦志が、“くん”付けするのは彼らの家庭に理由があったから。