好きになっても、いいですか?
02
純一の母――――つまり敦志の伯母にもあたり、敦志の母の姉であるその人は、ごく普通の一般家庭で生まれ育った人間だった。
その女性は、敦志が物心のある時から夜の世界にいた。
いわゆるお水。
別に、敦志はそういう職業を偏見で見てるつもりはない。
ただ、その人が特別だというだけで―――。
純一の母は、尋常じゃないほどに金に執着していた。
彼女になにがあって、そうまでなったのかまでは知ることはできない。
ただ、事実として……。
彼女は、それが理由で、藤堂の人間に取り入って純一を孕んだ。
全ては計算の上で―――。