好きになっても、いいですか?

02


純一の母――――つまり敦志の伯母にもあたり、敦志の母の姉であるその人は、ごく普通の一般家庭で生まれ育った人間だった。


その女性は、敦志が物心のある時から夜の世界にいた。

いわゆるお水。


別に、敦志はそういう職業を偏見で見てるつもりはない。


ただ、その人が特別だというだけで―――。


純一の母は、尋常じゃないほどに金に執着していた。

彼女になにがあって、そうまでなったのかまでは知ることはできない。



ただ、事実として……。

彼女は、それが理由で、藤堂の人間に取り入って純一を孕んだ。



全ては計算の上で―――。



< 230 / 445 >

この作品をシェア

pagetop