好きになっても、いいですか?
03
純一の中で、何かが音を立てて崩れたのを、敦志は見た気がした。
敦志は、弟のように、大事な存在の純一を支えてあげたかった。支えなければならなかった。
そして再び。
純一を奈落の底に突き落とす女――。
敦志は19、純一は17の頃。
『敦志、女ってどう思う?』
普通の、思春期真っ只中の男子が言うのならなんてことない。ただの浮かれ野郎だと思って軽くあしらえる。
けれど、“女”を嫌悪してきた純一のその言葉は衝撃で、なにを意図しているのかわからずに敦志は戸惑った。