好きになっても、いいですか?
それから数年後――。
敦志が24、純一が22になった。
『敦志、俺のとこにきてくれないか』
まるでプロポーズのようなセリフ。
この頃、敦志は就職先がなかなか決まらずに、バイトの掛け持ちで母を支えていた。
選ばなければ就職口はあるのだろうが、どうしても老いた母の為に少しでも条件のいい会社を探していた。
でも、24―――そろそろ潮時だと感じ始めていた頃だ。
『純一くん、それって―――』
『俺が任されるのは、まだ数年先だ。でも、その時にすぐに即戦力になってくれるように……今から一緒に付いてきて欲しい』