好きになっても、いいですか?

麻子の途切れ途切れのその一言に、純一の目が変わった。


そして、あの日の夜のように力強く、優しく、自分を胸の中へ引き寄せる手。



その瞳が私を酔わせる


その手が私を迷わせる


その声が――――……。



「嘘、じゃないな?」



(だったら、何。

どうして試されるようなことを私がされなければならないの――)


動揺と高揚。


そんなふうに心が揺らぐ中で、麻子は最後の理性で反抗的な瞳に純一を映し出す。





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