好きになっても、いいですか?
「相川さん」
「はい」
「その時は、社長だけでなく早乙女さんも手を貸したのね?」
「ええ。そう見えましたけど」
そんな美月の考えはよそに、麗華はひとつの予測を立てる。
先日のバーベキューのことと合わせて考えても、早乙女敦志は芹沢麻子に惹かれ始めているのではないか、と。
純一までには及ばないが、敦志も容姿はかなりいい方だ。
絶対にモテるはずなのに、浮いた話の一つも聞かない。
逆にあまりに純一にべったりなことから、その2人の間に何かあるのでは、と、非現実的な噂だけが流れるくらい。
敦志が純一と違うのは、女性に普段から優しいこと。
でも、あの時は明らかに違っていた。