好きになっても、いいですか?

02



あと少しで、今日も仕事が終わる時間。


腕時計を確認して、麻子がそう思った時だった。


「……!」


再び、いつかの日のように目の前のディスプレイに、1件のメール受信の表示。


(――――今度は、誰?)


メールなど、麻子には頻繁にくるものではない。
唯一あるメールの殆どは、仕事の資料や書類が添付されて送られてくる。それも、直接敦志や純一から声を掛けられることが多いから不意のメールはない。


(社長……は、さっきもう……)


メールの差出人が純一ではなさそうだと思った時に、薄々送信主がわかった気がした麻子は、重い手でクリックする。


(――やっぱり……)


あの人がこのままでいるはずない。
きっと、何かまた大きな武器を持ってトドメを刺しにくる。

そう予想していた麻子は、メールを見てそれが的中していたことに深い溜め息をついた。


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