好きになっても、いいですか?
03
*
翌日も、麻子はなんら変わらない顔で出社して業務を始めていた。
その様子が、純一にはもどかしくも腹立たしくもあった。
“自分ばかりがこんな想いをしているのか――いや、そうではない筈なのに”、と。
一度踏み切った心は、二度とブレーキがきかない。
純一は、隣室にあの敦志ですらも、麻子と二人きりでいることが耐え難く感じていた。
そんな中、直接社長室の内線が鳴った。
「――藤堂だ」
『――――……』
「いや、ああ。今は私一人……5分だけ、時間を割いてやる」
翌日も、麻子はなんら変わらない顔で出社して業務を始めていた。
その様子が、純一にはもどかしくも腹立たしくもあった。
“自分ばかりがこんな想いをしているのか――いや、そうではない筈なのに”、と。
一度踏み切った心は、二度とブレーキがきかない。
純一は、隣室にあの敦志ですらも、麻子と二人きりでいることが耐え難く感じていた。
そんな中、直接社長室の内線が鳴った。
「――藤堂だ」
『――――……』
「いや、ああ。今は私一人……5分だけ、時間を割いてやる」