好きになっても、いいですか?
それぞれが一日の業務を終えた頃。
「ああ。芹沢さん、社長に聞いてます。今日と明日は残業しないように、と」
「え……」
「後は大丈夫ですから。どうぞ、お父様に付き添ってあげて下さい」
(昨日あんなことがあったのに、やっぱりこの二人はちゃんと繋がってるんだな)
考えてみたら、今日一日ギクシャクしているような感じだったのは自分だけかもしれない。
純一も敦志も、まるで何事もなかったかのように仕事をしていたのを思い出す。
「すみません……」
心からそう思って言葉にした。
「どうして謝るんですか。全力でサポートする、と言ったでしょう?」