好きになっても、いいですか?
02
*
少し時間は遡る――。
「もうすぐ20時、か」
「今日はまだ帰らないのですか?」
「――――野暮用があってな」
手を止め、時計を確認した純一に、メガネを押し上げながら敦志が問う。
その意味深な答えに敦志は首を捻る。
「何か、面倒なことでも……?」
「……まあ、大したことじゃないとは思うけどな」
純一は頬杖をついて、パソコンのメール画面を見るとそう答えた。
「ああ。でも、念には念を――――」
そう言って純一は敦志を手招きで近くまで呼ぶと、誰もいないはずの社長室にも関わらず、敦志の距離にやっと聞こえるような声で何かを告げた。
少し時間は遡る――。
「もうすぐ20時、か」
「今日はまだ帰らないのですか?」
「――――野暮用があってな」
手を止め、時計を確認した純一に、メガネを押し上げながら敦志が問う。
その意味深な答えに敦志は首を捻る。
「何か、面倒なことでも……?」
「……まあ、大したことじゃないとは思うけどな」
純一は頬杖をついて、パソコンのメール画面を見るとそう答えた。
「ああ。でも、念には念を――――」
そう言って純一は敦志を手招きで近くまで呼ぶと、誰もいないはずの社長室にも関わらず、敦志の距離にやっと聞こえるような声で何かを告げた。