好きになっても、いいですか?

(――――もう、ダメ。



何度も、何度も何度も、手を離して。



突き返しても、突き放しても、また近づいてくる。



近づいては掴まって、逃げられなくなる。




そんなふうに優しい言葉と、優しい瞳で――――。




“私に近づかないで”。




何度そう唱えたことだろう。



でも、もう――。


一度だけ。

これが、生涯一度きりになっても構わないから――――……)



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