好きになっても、いいですか?
再び唇が離れた時に、蜜の含んだ低音で囁かれる。
「麻子」
それだけで、涙が出そうになる。
胸が締め付けられるのは、興奮と罪悪感。
何度も呼ばれる自分の名前。
口元で、耳元で、腕の中で、足元でも――。
下から見上げられるような目つきにドキリとする。
「好きだ」
静かな部屋に確かに聞こえた言葉。
それと同時に、自分の体が自分のものだけではなくなっていくのを感じて声を上げる。
「――――あぁっ……」