好きになっても、いいですか?
03
*
「敦志、車を用意しておいてくれ」
「既に手配済みですよ」
「……」
昼頃になってそんな会話が出ると、敦志は声を潜めて純一に言った。
「――昨夜の件について……どうするつもりで?」
“昨夜の件”。
それは未遂に終わったが、麻子や麗華を襲おうとした男達と、それを依頼したと思われる美月についてだった。
純一は、背もたれに預けていた体を前に起こしてデスクに頬杖をつく。
そして気付かれないように視線を雪乃に向けて、敦志に答えた。
「――とりあえずアイツ掴まえるのが先決だ。あんな女は逃げてもすぐに探し出せる。まぁ、追う価値もないが」
純一の指が苛立ち気味に音を立てて机を叩いていると、さらに敦志が言いづらそうに口を開いた。
「――あの、少し秘書室へ来て頂けますか」
「敦志、車を用意しておいてくれ」
「既に手配済みですよ」
「……」
昼頃になってそんな会話が出ると、敦志は声を潜めて純一に言った。
「――昨夜の件について……どうするつもりで?」
“昨夜の件”。
それは未遂に終わったが、麻子や麗華を襲おうとした男達と、それを依頼したと思われる美月についてだった。
純一は、背もたれに預けていた体を前に起こしてデスクに頬杖をつく。
そして気付かれないように視線を雪乃に向けて、敦志に答えた。
「――とりあえずアイツ掴まえるのが先決だ。あんな女は逃げてもすぐに探し出せる。まぁ、追う価値もないが」
純一の指が苛立ち気味に音を立てて机を叩いていると、さらに敦志が言いづらそうに口を開いた。
「――あの、少し秘書室へ来て頂けますか」