好きになっても、いいですか?
(信っじられない!!!)
トップの人間はデリカシーも気遣いもないのか、と怒り心頭する。
しかし、目の前に見せられたもので、そんな思いも吹き飛んでしまう。
「君の父親から預かった」
「……?」
視界に入った一通の封書。
それを純一に渡されると、すぐに中身を確認する。
そこには一枚の手紙がしたためられていた。
【 麻子へ
目の前にあるものも、何か意味があることかもしれない。きっとプラスになる。】
10行以上ある便箋に、たった2行の短い手紙。
だけどそれは、後遺症のため震えてしまう手で書いた、紛れもなく自分の父、克己の文字だった。
(――お父さん?)
「どうして……」