好きになっても、いいですか?
とりあえず病院の外に出た3人は、次にどうするのかをそれぞれが考えていた。
そして敦志は、一人冷静に携帯電話に電源を入れて、麻子に繋がるかを試していた。
「……だめですね」
あまり繋がることを期待していなかったからか、それほど驚くものもいなかった。
「――私、探してみます」
そう言って、立ち止まっていた場所から歩き出したのは雪乃だった。
「し、城崎様?」
「私、どうしても麻子ちゃんに会いたいから。こうなったら、手分けした方が確率高くなるでしょう?」
呼び止める敦志に振り返りそういうと、雪乃は再び病院の敷地から出て行ってしまった。
「……純一くん。なぜ、城崎様があそこまで……?」
「――いや、俺にもわからない」