好きになっても、いいですか?
05
*
すっかりと陽も落ちて、空が暗くなり始めた頃。
麻子は、院内のフリースペースで座っていた。
父の容態も安定して、今は眠っている状態。
ずっと横にいるのも……と、麻子も少し休息しているところだった。
設置されているテレビの音や、入院患者の話し声。
ナースステーションから聞こえる看護師の声を、ぼんやり耳に入れながら麻子は静かに目を閉じていた。
―――コツッ。
そんな耳に、ひと際目立つ革靴の音。
でもその音に特に気も留めず、麻子は半分眠りに入っていた。
「結局、ここで捕まるとはな……」
その声で一気に夢から引き戻される。
「!!」
「ちょっといいか」
そう言って自分の目の前に立っているのは、上着を脱いで汗をかき、息を上げている純一だった。
すっかりと陽も落ちて、空が暗くなり始めた頃。
麻子は、院内のフリースペースで座っていた。
父の容態も安定して、今は眠っている状態。
ずっと横にいるのも……と、麻子も少し休息しているところだった。
設置されているテレビの音や、入院患者の話し声。
ナースステーションから聞こえる看護師の声を、ぼんやり耳に入れながら麻子は静かに目を閉じていた。
―――コツッ。
そんな耳に、ひと際目立つ革靴の音。
でもその音に特に気も留めず、麻子は半分眠りに入っていた。
「結局、ここで捕まるとはな……」
その声で一気に夢から引き戻される。
「!!」
「ちょっといいか」
そう言って自分の目の前に立っているのは、上着を脱いで汗をかき、息を上げている純一だった。