好きになっても、いいですか?
「……そうよね。ごめんなさい」
しょんぼりとする雪乃を見ると、どうも同い年なのに妹のように思えてしまう。
そして、少し居た堪れなくなった麻子が、どう声を掛けようか迷っていた。
すると、俯いていた顔を上げて雪乃がまた笑顔を浮かべて言った。
「でも、お義姉さんができてとっても嬉しいわ。仕事の邪魔はしません。でも、たまにランチくらいはご一緒して下さいね」
ふふっ、と肩を上げて笑うと、雪乃は純一にも挨拶をして退室していった。
(お……お義姉さんって!!)
雪乃の出て行ったドアが閉まってからも、暫く麻子はそこから視線を動かせないでいた。
「……芹沢さん。業務分担のお話してもいいですか?」
敦志の声にびくっとして、麻子はバッと首を回す。
「は、はい!すみません!」
そうして麻子は敦志について、隣接された秘書室へと入って行った。