好きになっても、いいですか?
*
「――驚きました」
自社に戻る車内で、敦志がそう漏らした。
そして、純一も聞かずにはいられずに麻子に問う。
「……なぜ、知っていた?濱名社長が花を好んでいたことを」
「……先程、社で見ていた資料の中に、丁度濱名商事の社長の記事がありまして」
「記事?花好き、などと書いていたのか?」
「いえ……ただ」
「なんだ!」
決して純一の方を向くことなく、進行方向だけを見て麻子は答える。
それがまた、純一のプライドに触ったようで、言葉をかぶせて急かす様に問い詰める。
「濱名社長の……社長室でのお写真が、植木鉢等がわりと多く拝見出来ましたので」
「言われてみれば確かに」
敦志が横から納得の意を唱え、麻子の話は途絶えた。
残りの道中は、いつもと同じように純一と敦志が資料のやりとりをしながら仕事の話をしているだけだった。
「――驚きました」
自社に戻る車内で、敦志がそう漏らした。
そして、純一も聞かずにはいられずに麻子に問う。
「……なぜ、知っていた?濱名社長が花を好んでいたことを」
「……先程、社で見ていた資料の中に、丁度濱名商事の社長の記事がありまして」
「記事?花好き、などと書いていたのか?」
「いえ……ただ」
「なんだ!」
決して純一の方を向くことなく、進行方向だけを見て麻子は答える。
それがまた、純一のプライドに触ったようで、言葉をかぶせて急かす様に問い詰める。
「濱名社長の……社長室でのお写真が、植木鉢等がわりと多く拝見出来ましたので」
「言われてみれば確かに」
敦志が横から納得の意を唱え、麻子の話は途絶えた。
残りの道中は、いつもと同じように純一と敦志が資料のやりとりをしながら仕事の話をしているだけだった。