好きになっても、いいですか?
「!??」
窓越しに見える自分。そのまた奥に、人影が映し出されているのに気が付き、純一は、はっとする。
勢いよく振り向き、その人影を確認すると――。
「――芹沢……麻子?」
目に飛び込んできたのは、先刻帰ったはずの麻子。
麻子は、やはり表情ひとつ変えずに純一の元へと歩み寄ってくる。
「…………?」
目の前に来た麻子が、ガサッと目の前に置いた白い袋。
不可解過ぎて、純一はただ瞬きするだけだ。
そんな純一が、やっとの思いで声を出す。
「こ、これは……?」
「何がお好きかはわからなくて、私の独断で決めてしまいましたが」
麻子の言葉もますます訳がわからない純一は、デスクに置かれた袋に手を伸ばす。
その時に気がついたこと。
「コンビニ……?」
普段、全く利用することはないが、流石に袋のロゴを見れば純一にもすぐにそれが全国チェーンのコンビニエンスストアのものだとわかった。