好きになっても、いいですか?
*
「芹沢さん、面会ですよー」
コツっと音を立てて、病室に姿を現したのは純一だ。
克己はその姿を仰ぎ見て、手にしていた本を軽く伏せる。そこに立つ人物は、見たことのない男だが、すぐに“藤堂純一”だと察しが付く。
「突然の訪問、申し訳ありません」
目が合うなり、その高そうなスーツを身に纏った藤堂コーポレーションの社長は、深々と頭を下げた。
「藤堂社長――ですね」
「はい。藤堂コーポレーション代表の、藤堂純一と申します」
綺麗な姿勢でいつの間にか名刺を用意し差し出している辺りは、やはり代表のことだけある。
自然に身のこなしが出来ているのだ。
「まさか、本当にこんなところに足を運ばれるとは……」
克己は驚きのあまり、呆気にとられながら驚愕の言葉を口にする。
反対に、純一は表情ひとつ変えずに、克己の足もとに立っていた。
「芹沢さん、面会ですよー」
コツっと音を立てて、病室に姿を現したのは純一だ。
克己はその姿を仰ぎ見て、手にしていた本を軽く伏せる。そこに立つ人物は、見たことのない男だが、すぐに“藤堂純一”だと察しが付く。
「突然の訪問、申し訳ありません」
目が合うなり、その高そうなスーツを身に纏った藤堂コーポレーションの社長は、深々と頭を下げた。
「藤堂社長――ですね」
「はい。藤堂コーポレーション代表の、藤堂純一と申します」
綺麗な姿勢でいつの間にか名刺を用意し差し出している辺りは、やはり代表のことだけある。
自然に身のこなしが出来ているのだ。
「まさか、本当にこんなところに足を運ばれるとは……」
克己は驚きのあまり、呆気にとられながら驚愕の言葉を口にする。
反対に、純一は表情ひとつ変えずに、克己の足もとに立っていた。