好きになっても、いいですか?
「彼の元で働いているのだろう?」
「……超不本意だけど」
「ははは。まぁ、似た者同士ってとこかな。ぶつかり合うのは」
「似?!!似てるって、まさか!」
心外だ、と言わんばかりに麻子がテーブルをたたくと、そこが病室と言うことを思い出して、肩を竦め小さくなった。
そして小声で反論する。
「あんな横柄な人と一緒にしないでよ!」
「不器用なんだろ。お前と一緒だな」
もう何を言っても訂正しないだろう、と諦めた麻子がテーブルの上の時計を見て立ちあがった。
「もう面会時間終わりだね、また来る」
「……あの2人の近くで働くのなら、心配するようなことはないだろう」
「なんだか、嫁にでも出す時のような口ぶりね」
「ああ。まさにそんな感じだ」