恋の味
勇気

そのまま帰る気にもなれなかった俺は、昔2人でよく遊んだ空き地に来ていた。


「はぁ~。」


土管の上に座り、盛大なため息をつく。


無造作にポケットに手を突っ込む。


――――カサっ


中から出てきたのは、ブドウとイチゴ。


小学校のころから、一緒に帰っていた俺と真白。


真白が言う一言はいつもこれだった。


「はやて~あめだまもってない~?」


「あ、あるっ。ほら・・・。」


「わぁ!ありがと!はやてっ」


真白の笑顔が見たくて、いつも飴玉を持っていた。


< 16 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop