恋の味
勇気
そのまま帰る気にもなれなかった俺は、昔2人でよく遊んだ空き地に来ていた。
「はぁ~。」
土管の上に座り、盛大なため息をつく。
無造作にポケットに手を突っ込む。
――――カサっ
中から出てきたのは、ブドウとイチゴ。
小学校のころから、一緒に帰っていた俺と真白。
真白が言う一言はいつもこれだった。
「はやて~あめだまもってない~?」
「あ、あるっ。ほら・・・。」
「わぁ!ありがと!はやてっ」
真白の笑顔が見たくて、いつも飴玉を持っていた。