恋の味
「・・・。」
今、幻聴が聞こえた。
いや、でも待て!!
この真白の顔は嘘ついてる時の顔じゃねぇ!!
少し汗ばんでいた手をズボンにこすり付ける。
「ん。」
左手を差し出すと、真白はニコォっと笑って俺の手をつかんだ。
「断られるかと思った。」
安心したような顔で、胸をなでおろす真白。
んなこと、天地がひっくり返ってもねぇよ。
「ビビり。」
「なっ!?勇気出したのに!!」
「はいはい。」
また、こうやって手を繋いで帰れたらいいなぁ。