家政婦のメイド派遣します!
「篠崎桃子さん、これからもずっと私達と一緒にいてください。」
「桃子、俺達3人で結婚しよう。」
2つの箱がほぼ同時に開いた。
祐樹の持ったリングは繊細な細工を施した細いリングの中央に大粒のダイヤが煌めいている。
直樹の方は幾分しっかりとした厚みのあるリングに小さなダイヤが幾つも配置さ
れていて月明かりに当たって輪舞そのものがキラキラと輝いていた。
2人を象徴するかのような指輪に桃子は驚いて声も出ない。
「桃子?」
2人は心配そうに桃子を見つめている。
「私…選べないよ?」
どちらか一方のリングを受け取る事など桃子には出来なかった。
だから今まで悩んでいたのだ。
今にも泣きだしそうな彼女の前で2人は困ったように微笑んだ。
「だから…聞いてる?3人でいようって言ってるんだけど?」
直樹がスッと桃子の右の人差指に指輪を嵌めた。
「さっき言ったでしょう? もう桃子以外と結婚はしませんよ。」
祐樹の指がリングを彼女の左の人差指に通した。
「はじめからこうすれば良かった。」